認知症の方の徘徊には、出かけて帰り道がわからなくなる、というケースもあるでしょう。昨日まではちゃんと帰ってきたのに、今日は…、というケースもあるようです。
でも母の場合は、「帰る」と言って出かけようとしていました。どうして帰る場所であるはずの自分の家を出ようとするのか。
本には、「現在」が不安なものだから、自分が安心できる「実家」に帰りたいんだ、と書いてありました。
思い返してみると、母のひとり歩きは突然始まったような印象でした。その直前には何かあったのか、母が不安になるようなきっかけ。
心あたりはあります。1回目の徘徊の2,3日前、父に「出ていけ」と怒鳴られていました。
わたしはそれが母のひとり歩きのきっかけだったんじゃないかと思っています。
認知症の特徴で、
「新しい事が覚えられない」
というのがあります。
そして
「何があったか覚えていないけど、その時の感情は残る」
お母さんも何があったか覚えていないけど、家にいると不安、悲しい気持ちになるから、不安を解消したくて家を出たんじゃないかと思います。そうだとしたら、ひとり歩きは止まりませんよね。なぜか悲しい気持ちになるところに、必ず連れ戻されるんですから。
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