この間、母と桜を見に行った日、待ち合わせの時刻に特別養護老人ホームに着くと、母はテレビで甲子園を見ていました。手をたたいて声を出していました。応援しているようでした。いやあ? ブラスバンドの応援のリズムに反応していただけかな?

楽しく見いていたのに、途中でテレビの前から引き離されて、桜を見に行く道中は少しスネていました。

家にいる頃はよく「おかあさんといっしょ」を見て、子どもたちに手を振ったり、話しかけたり、いっしょに踊ったりしていました。

アルツハイマー型認知症の周辺症状に、テレビ徴候というのがあります。テレビの世界と現実をごっちゃにしてしまう妄想の一種です。

母はニュース番組をつけていると、静かにつまらなそうにしていました。ニュースって基本、悲しいニュースばかりなので、テレビの世界にのめり込んだ事で、悲しい気持ちになっていたんじゃないかと思います。

テレビのせいで気持ちが沈むんじゃないかと思ったので、朝、小規模多機能型居宅介護施設の職員が迎えに来るまでの間は、情報番組ではなく「おかあさんといっしょ」をつけて、様子を見ることにしました。

すると、歌ったり踊ったりノリノリになったので、それからはずっと「おかあさんといっしょ」をつける事にしたんです。子どもたちのおかげでテンションの上がった母は、ノリノリのまま通いのサービスに出かけて行きました。

朝の時間帯に子どもたちが出演する番組があって、よかったなあ。

満開のツツジの前で、小規模多機能型居宅介護施設の職員と利用者と母の記念撮影の画像
-つつじの咲く季節の思い出-