今回も「食べる」事について。
認知症じゃなくても加齢のため、歯がなくなっていって物理的に食べれらなくなります。飲み込めなくなっていきます。
認知症だったらそれに加えて、食べ方を忘れていきます。
まず複雑で繊細な動かし方をしないといけない、箸を使えなくなります。次に、スプーンで食べる事になるんだけど、それもうまくすくえないから、もどかしくて手を使い始めます。
小規模多機能型住宅介護施設の会議で、「食事を全介助にするのは簡単です。どうしますか?」と聞かれました。
全部、職員の介助で食べさせてもいい、と。ただそうすると、本当にできなくなってしまう、と。
本人の力で食べるように促して、一部分だけ手を貸して食事をさせるのは、本当に、時間と忍耐力が要ります。アレコレ言葉を変えて促すのだけでも、頭を悩ませます。
全介助だと、時間短縮にもなるし、テーブルも床も本人の服も手も汚れません。という事は掃除の時間も短縮でき、洗濯物も減ります。
どっちがいいかって聞かれたら、どうしますか?
手で食べる姿に抵抗を感じる人もいるでしょうね。全介助の方がいい、と。人それぞれだから、それでもいいと思います。介護する家族が満足のいく、気持ちが楽な方でいいと思うんです。
わたしは手でもいいから好きなものをたくさん食べてほしいと思うから、一部介助を選びました。めんどくさいけど。めっちゃ大変だけど。
認知症が進行すると身体機能も衰えていくんだから、いつか終末期になったら、嚥下障害で食事がとれなくなります。胃ろうとか静脈栄養とかって処置もあるけど…、それはまだ決めていません。食べられるうちに、たくさん食べてほしいです。
できる事と、好きな事をやらせて伸ばすって、本当に子どもみたいだと思いませんか。それを見守るには、時間と忍耐力が必要なところも。