母が認知症初期の頃、わたしが母の症状を深刻に受け止めてなかった頃、母はとても不安だったみたいです。それがうかがえるメモがあります。

16行に渡って、その日の出来事が書かれた、子ども用のメモ帳。
平成11年5月13日
今日は〇〇バスに用事があってのる事になった。出かけにまちがいがあって3時間のった。〇〇も広いものだ。2~3人の客をのせて長い時間走る。まちがいをしたばっかりにバスろ線がどうなってるか わかる。(わかる、と書いているけど、わからなかったんでしょうね。)〇〇線はどの線にのるのでしょか。これはもんだいだ。約3000円 バス代

何か変だ、と思っていたんでしょう。「これはもんだいだ。」という箇所が、こんな間違いした事ないのに、って気持ちが出ています。バス代で3,000円って、どこまで行ってしまったんでしょうか。すごく不安だったと思います。

自分が小学生の頃、乗るバスの経由する所がいつもと違って、どこを進んでいるのかさっぱりわからなくて、ドキドキした事を思い出しました。どこ経由か違っただけで、すごく不安になるんだから、母も相当不安だったんじゃないかと思います。

平成11年(1999年)は、まだ認知症と診断される前だったのかもしれません。症状がまだまだ軽いからこそ、しっかりしている時が多くて、こういうメモを書き残したんだと思います。全ページに、その日の出来事を書き留めてあります。

認知症の人の不安って、想像するしかできないけど、そんな事がずーっと続くと、それはストレスですよね。

 

【中古】よくわかる認知症ケア 介護が楽になる知恵と工夫 /主婦の友社/杉山孝博(単行本(ソフトカバー))

価格:474円
(2024/11/30 11:37時点)
感想(0件)