認知症の人のためにデザインされた食器を見たら、日本では見たことのない配色のデザインでした。これがいいデザインのお皿なら、わたしが母に出していたご飯茶碗は失格です。

内側が白いお茶碗に、白いご飯を盛っていたからです。白に白。ダメですよね。認知症の人は色覚が変化するから、コントラストが強い配色じゃないと認識できないと、ついこの間知りました。

白いテーブルの上、内側が白色のお茶碗に盛られた白ご飯の画像
白ご飯(カラー)

母は食べる前に、よくご飯を指で触ってました。白に白だから見えなくて、触って確かめていたんじゃないかと思います。

それをわたしは、食べ物かどうかわからないのかなあ、とか、固くないか確かめているのかなあ、とか考えていました。食べ物に見えないから、食べないんだろうなあ、って。

小規模多機能型居宅介護施設のスタッフに、「○○さん、ふりかけをかけると、食べてくれるんですよ。」って言われて、「へー」って、家でもふりかけを白ご飯にかけて、出してみました。そしたら、本当にすぐに箸をつけてくれるようになりました。白ご飯の上の、色の濃いふりかけが、白いお茶碗に盛ってある事を見せてくれていたんでしょうね。

料理をその色と同系色で同明度のお皿に盛り付けては、ダメだったんですねえ。

認知症の母にはどんな景色見えているのか想像もできません。どんな風に見えているのか、体験型ARというコンテンツもあるようですが、簡単に誰でも確認できるのは、モノクロで画像を撮る事。

さらに母は老眼なので、輪郭をぼかすと、こんな感じでしょうか。

白いテーブルの上、内側が白色のお茶碗に盛られた白ご飯の画像
白ご飯(モノクロ)

視力のいい人でも、雪の上の足跡が浮き上がって見える現象もあるし、モノクロの世界って錯覚が起きやすいんですよね。

それを理解できていたらなあ。