グループホーム入居前の準備で、意外と大変だったのが「持ち物全部に名前を書く」ことでした。
服・靴下・タオル・下着・洗面用具などホームに持ち込む物すべて、です。
明るい色の物だったら、黒の油性ペンで書けばすみますが、濃い色の物に黒で書いてもわかりません。靴下などの伸縮性のある生地だととても書きにくいし、お名前シールを買って書かないといけませんでした。
名前書きに結構な時間を取られました。
面会に行った時、利用者さん数名が洗濯物をたたんでお手伝いしているところを見たことがあります。名前を書いてないと、洗濯してもらったあとに自分の物は戻ってこないでしょう。認知症の母は、自分の物の管理はできそうになかったし。
洗濯する物じゃなくても、名前は必須です。
母に、百均で買った猫のフォトブックを持って行ったことがあるのですが、その本に名前を書くのを忘れてしまいました。
すると次の面会時にはもう部屋にありませんでした。母がどこかに持って行って置き忘れたのかもしれません。でも名前がなかったからでしょう、戻ってきてませんでした。
共有スペースに本棚があったので、もしかしてそこに置かれてないか探してみました。探していると、母の担当の男性スタッフが「どうかしましたか?」と声をかけてきました。
「母に持って来た本を探しているんです。名前書くの忘れちゃって。」というと、そのスタッフは近くのソファに座っていた母の身体検査を始めました。
イヤイヤ。本だから。
本を服の下に隠し持っていたら、触らなくてもわかるでしょ? 何を探しているのか、聞こえなかったんでしょうか。
「いやもう別にいいです。100円だし。」と言って止めさせました。
ちょっとカルチャーショック、というんでしょうか、普通に抵抗もなく体触るのね、異性でも。
介護、介助の現場では普通なんでしょうか。