ひとり歩きは、車道沿いを歩けば交通事故にあう可能性があり、街と反対方向に歩いて野山を歩けば人目に触れず見つけにくくなります。
家に母といる父が、母のひとり歩きを防げず、わたしはできれば仕事を辞めたくないとなれば、グループホームに入居するのが、一番安全です。
ひとり歩きがきっかけで施設に入居する方って、多いそうです。
でも、それを母に伝えなかった事を後悔しました。伝えてもすぐに忘れるとは思います。忘れる前に認識できないかもしれません。それでも伝えた方がよかったような気がします。
入居した翌日、足りてなかった生活用品を届けにグループホームへ行きました。
母はまた寝れなかったのか、目が真っ赤でした。ご飯も食べず、薬も飲んでいませんでした。薬についてはセカンドオピニオンで受診した老年認知症対応の精神科の病院から紹介状を書いてもらいました。認知症の薬はしばらくお休みして、睡眠導入剤と降圧剤だけなのですが…。
スタッフに「娘さんから勧めてみてください」と言われ、隣に座って「食べよう」と声をかけますが、睨まれました。
恨んでるのかなあ。目が真っ赤なのは、泣いていたのかもしれません。
わたしと一緒にグループホームに来て、いつの間にかわたしがいなくなって、迎えにも来なかったのがショックだったのかもしれません。
ケアマネジャーさんに、いつか言われた事を思い出しました。
母のわたしに対する依存心が強いって。
そうなのかなあ?
何も声をかけられず、隣で相変わらずごはんを勧めていると、しばらくして少しだけ食べてくれました。
母が落ち着くまでは会いに行った方がいいのか。わたしへの依存心を少し他に向けてもらった方がいいのか。どうするのが一番いいのかわかりません。「仕方ない」って思っても、本当にそれ以外の仕方がなかったのか、とも自問してしまいます。
色々自分に言い訳しながら、結局、グループホームが遠くて(職場から電車とバスを乗り継いで1時間半弱)、毎日は行けませんでした。
いとこが言っていた事を実感しました。施設は近い方がいいって。