6回目のひとり歩き。
それまでと違ってなかなか見つかりませんでした。
ケアマネージャーさんも親戚も警察の人も、捜索してくれましたがなかなか見つかりません。
バスやタクシーの会社に連絡して、伝えた服装の女性を見なかったか聞いてくれました。
近所の最寄りのバス停から乗ったみたいで、終点で運賃を払えなかった女性を降ろしたという情報がありました。
その先どうしたのかの情報はありません。そこからまたバスに乗ったという情報はなかったので、歩きで離れたんだろうと予想しました。
その情報をもらったのは、母であろう人が終点で降りてから何時間も経ってましたが、それを手がかりに探すしかありません。
防災無線で、こういう服装の〇〇歳の女性を探しているので協力してほしい旨の放送もしてもらいました。
見つからないまま時間は過ぎ、警察犬にも捜索してもらう事になり、母がふだん使っている物を貸出しました。
真夏で、食事も水分も取っていないはずです。
警察の人から、交通事故にあう人が多いと聞きました。バスを降りて、路線に沿って歩いているのなら、交通事故にあってしまうかも。
朝いなくなってからずっと探し続け、夜になると警察の人だけが探してくれていました。
そして夜中2時に、見つかったと連絡がありました。
降りたかもしれないバス停から15km先の車道脇を歩いていたそうです。
車道脇を歩いていた事で、交通事故にあう確率は高くなるけど、そのおかげで、パトカーで捜索していた警察の人の目に入ったのでしょう。
すぐ警察に迎えに行くと、母は意外と元気そうでした。ゴミを持ち帰って来ていました。
「ゴミ拾いしてたの? ありがとう。」というとゴミを手放してくれました。
本当によかった。ただただ運がよかった。
警察の人からは、6回も行方不明になって、無事に戻って来れたのは奇跡だ、と言われました。
本当によかった。