母のひとり歩きは続き、デイサービス先の施設からも出て行こうとし始めました。

施設の人から父に連絡が来て、父が迎えに行った事もありました。(施設からいなくなったら、施設の責任になりますからねえ)

その時の事を、施設の人がケアマネジャーさんに報告し、わたしはケアマネジャーさんから聞いたのですが、

連れて帰ろうとした父から、母が逃れようとした時、父が母に暴力をふるっていた、と。施設の人が見ている前で。

わたしは珍しいな、と思いました。

父は外面がとてもいい人間で、他人がいる時はいい顔しかしないのに。

 

ケアマネジャーさんの話によると、認知症の奥さんに暴力をふるう旦那さんは少なくないらしく、ケアマネジャーさんが知っているうち一番ひどかったケースは、

「もう帰り道がわからなくなっているのに出かけようとした奥さんを、止めるためか鉈で奥さんの足を傷つけた」らしいです。

認知症患者が暴力的・攻撃的になるのは病気のせいだとしても(周辺症状(BPSD)、それに暴力や否定的な言葉で対応するのはダメです。わたしの経験からも。

 

一度施設のイベントに参加した時、母以外の認知症の女性と一緒になりました。

車に乗り込む時、補助しようとして手を出したらその方はその手を振り払って、出したわたしの手を叩き出しました。女性だったので大して痛くなかったし、そのままされるがままにしていました。その女性はすぐに叩くのをやめて、出したままだったわたしの手を取って、車に乗り込みました。

たぶん、叩いても自分に害がないとわかったので、信用してくれたのかもしれません。

 

とにかく、混乱した認知症患者と同じ温度で返してはダメです。

だけど、父は…言い聞かせてもそれはできないでしょう。

 

ヤバい。

家に鉈はない、草刈りようの鎌はある。