ひとり歩きがきっかけでグループホームに入居した母は、会いに行く度に落ち着いていきました。顔つきが明らかに穏やかです。
やっぱり薬のせいだったんだと確信しました。
母はキレイ好きで、ゴミを見つけるとすぐに掃き掃除。ホコリを見つけるとすぐに拭き掃除。
わたしが高校生の頃、母はパートを始めたのですが、それはお掃除の仕事でした。掃除が好きなんだと思います。
それは認知症発症してからも変わりませんでした。
ひとり歩き中にも、ゴミを拾って帰って来た事がありました。
グループホームでも同じで、会いに行くと共有スペースの広い部屋をほうきを持って掃き掃除していました。
グループホームのスタッフさんから、「〇〇さんのおかげで、どんどんホームがキレイになっていきます」と言われました。
母が変わらずキレイ好きで嬉しかったです。
ということは?
母のいなくなった家は、どんどん散らかって、ホコリも積もっていきました。
ということは? 逆に?
ひとり歩きをしていても、家中の掃除をしっかりしていた、ということです。
母のありがたみが身にしみました。
一方父は、部屋が汚くなった事に、全く気付いていないようでした。気付いていないというか、ゴミが落ちていても気にならないようです。父は、母がこれまでやってきた事は、ありがたい事なのだとは思わないのです。
母は、父に感謝される事はないのでしょうか?
わたしは、父の部屋は掃除しないと決めました。どうせ掃除してもしなくても気にしてないようなので。